誰も皆、選ばれているんだろう。そこから先、選び抜かれていけるかどうかは解らないけれど。選ぶのは僕も好きだ。選ばれるのは……やっぱり苦手かな。
ええと、金の亡者とかそういう言葉があって、それは普段悪い意味で語られるものだが、それこそそういった“才能”や“環境”に選ばれた前提があって初めて資格を得る事が出来るわけで、まあ何かしら〝この人はこうだから〟とか言われるようになるにはそれなりのハードルがある。それが良い評判なら文句無しだけどそうでなくても「俺にゃ適わねーなー」と無個性な僕などは思う。
昔から喜怒哀楽の内、怒りとか哀しみを外に向けて表現するのが苦手なこともあって、「何考えてんだかわかんない」と言われるがそりゃー勘ぐり過ぎだよ、ただ何も考えていないだけだと信じてもらいたい。いや、本当は伝えたい事を我慢しているんだろう。自分を見透かされるのが怖いだけなんだよな、結局。
そんな臆病者でも譲れないものがあって、その数が少ないからこそ頑固になってもう、動かせなくなっている。例えば〝解り易いものが嫌い〟だとか。そのくせ新しい事に飛び込む勇気も段々減ってきてワケわかんねぇ所まで来ている。自分で作った檻の中で家を建てて、そのまた一室でジッと動かない。そんなの楽しくないよ。その世界にはテレビもインターネットも無いんだぜ。
立ち上がる能力はあるのに、気力が底をついた時、電力供給が切れた際の予備電源のように繋ぎとめるものは何か?完全に間違っているかもしれないけれど、それは「好き」とか呼ばれている、寂しさを埋める感情であって欲しい。最後に残ったそれを、形になるまで求め続けていく。叶わなくともそれが、愛と呼べるまで。
(用は金持ちが羨ましいって事か?)
(色恋沙汰について語るつもりじゃないのは、確かだけど)
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