皆さん、本日は聖夜でメリーな一日ですが、この日のために秋から準備をしている用意周到な方は成功をお祈りしております。これといって予定のない方は僕と同じです。商業主義を形にしたような町並みから目をそらしつつ、信じてもいない仏様について思いを馳せましょう。
ところで僕はCBR250RRを通勤の足に使うことで、日々減価償却を行いつづけているわけだが、ことモーターサイクルを愛するものにとっては費用対効果のように損得勘定を取り入れた考え方は総じて不評である。
軽自動車に至るまでインジェクションが一般化された「皆の乗り物」である四輪とは違い、未だにキャブレターを装着していることが一種の美徳であるかのような二輪においては所有する目的がつまり「パッション(情熱的で刹那的)」であって、視姦して楽しむ人も、スピードに取り付かれた中毒者もリセールバリュー(バイク王に提示される金額のことだ)を気にして車種を選択するようなことはしないので、変態の烙印を押された売れないとわかっているカテゴリーのバイクをフルモデルチェンジしてしまい、軽自動車で儲けた利益を間接的にユーザーに還元してくれる良心的な企業であるスズキのモーターサイクルも少しは売れる。
故障したらしたで、クレームを付けるどころか「かわいいやつめ」と目を細めてしまう、メーカーにとっては感謝をこえて感動すら生み出すユーザーを多く抱える業界の景気が悪く、四大メーカーが軒並み赤字を計上しているのは「俺のマシンの後ろにの・ら・な・い・か?」というアプローチが女性にとって、セレブ合コンとやらに僕が参加する虚しさ(用は場違いということだ)と同列に値するほど「寒い」からではなく、これほど感性を刺激する素晴らしい乗り物に興味を持ち、皆から祝福されるべき「聖人君子」が絶対的に不足しているから、と言える。(この場合の¨聖人君子¨と¨マニア¨は同義語である)
「あなたがもし、ドゥカティの999SPSを所有していたとしても、女性は間違いなく10年落ちのワゴンRを選ぶであろう」この揺ぎ無い事実はライダーにとって荘厳な神の神託の如く厳粛に受け止めなくてはならない。
自虐ネタですかって?いやいや、僕はスズキの出し惜しみしない姿勢も好ましく思うし、カワサキのイメージカラーである、「バッタのような」ライムグリーンだって魅力的で堪らない。用はライダーにとってクリスマス等といったイベントとはミスマッチング甚だしく、人間の重量だけで橋が崩落するような人口密度の高い『スポット』に向かうくらいなら、冷たい水にも負けず、隅々まで愛車を磨いてあげるほうが100倍有意義なものになるであろう、ということだ。
ああ、MOTOGPのチャンプであるV・ロッシはモテて仕方がないようだが、その周りでサインをねだるファンに自分を重ね合わせることは競争から降りたものの考えであり、そしてそれはほとんどの場合、確信的に正しい。
(僻みというか……お前、性格悪いぞ)
(いやそんなつもりじゃないんです、信じて下さい(泣))
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