スパイダーマン。
じゃ無くて新庄。
2006年の契約更改に向けての球団社長との会談で金額の話は無かったらしい。待遇についてだけ。
「僕をもっと自由にして。」
「う、うん。いいよ…。」
足りないらしい。
日本ハムに移籍してからの新庄は生き生きしてる。メジャーから帰ってきて、打力は間違いなく向上しているので、選手としての新庄の評価はもっと上がっても良い筈なんだけど、本人はそんなことには関心が無いみたい。
試合の無い日は日焼けサロンに通い。
被り物シリーズの企画を考え。
北海道を熱くする為に頑張っている(笑)。
新庄を見ていて思うのは「悲壮感が無い」ということだ。ボディビルダーとは違う均整の取れた肉体に自動的になるわけじゃあるまいし、地味な努力を重ねている部分もあるのは見てたら想像できるんだけど、「明るさ」しか感じられない。
オフコォース
って言いながら筋トレしてそうなイメージ。
そんな新庄にはワクワクさせる期待感が常にある。
でも2004年オールスターの単独ホームスチールは次元が違った。一瞬何が何だか解らなかった。自体がやっと飲み込めた時にも、
スゲェ……凄ぇ…
うわ言のように繰り返し呟く事しか出来なくて、体は震えてるんだけど気持ちの持って行き場が無くて困った。MVP宣言をして乗り込んだ舞台で僕のなんかの想像を遥かに超えた。本当にたまたま生中継で見ることが出来た幸運に感謝すると共に、その時グラウンドに居たすべての人に少し嫉妬もしている。
この事が僕の評価を決定した。プロ野球がまだ日本人の中でNO.1スポーツで無かった時代、ジャイアンツという球団が信仰にも似た名声を手に入れる過程で現れたスーパースター、長島茂雄と同列に考える、という事を。
長島選手ではなく、長嶋カントクとしてしかリアルタイムで知らないからこそ出来る発想かもしれないけれど、これまで色々と見せ付けられ、驚き、笑い、度肝を抜かれてきた新庄。今度のホームスチールで完全にノックアウトされた。あーだこーだ考えるのをヤメタ。満塁ホームランを打ってとか、サヨナラゲームを演出して→MVPとか、そんな常識に満ちた期待感なんかぶっ飛ばされた。全く通用しない次元だった。
元々好きだから、そんな風に考えるんじゃないのか?記憶はもちろん、記録に残る選手としても議論の余地の無い長島と、新庄を同列に扱ってどうするんだよ。ただそんな問いに対して答えられるとするなら、
……僕はこの選手が現役としてプレーする姿を見られる、その事実に感謝したいと思う。
地方はどこでもそうだけど、野球中継といえばほとんど巨人戦しか放送していなかったから、圧倒的に巨人が人気だったと聞く北海道に球団が出来て、その球団では新庄剛志がプレーしている。
「これからはパ・リーグです。」
その言葉は本当になるかもしれない。
(小笠原を忘れてない?)(いや。そこまで書くとほら。長く…なるからさ…)
兎に角、
特注の黄金バットで打席に立とうとして主審に、
「そ、それは木製か???」
「はい!」
とさわやか笑顔で答える新庄が好き。
ちなみに上の写真の日ハムユニフォーム、
新庄一人だけ改造ユニフォームですから。
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